賠償基準とは

クリーニング事故賠償基準(以下、賠償基準)は、扱った洗濯物に対してクリーニング業者が賠償責任を負う際に、公平・効率的に消費者救済を図るための基準で、賠償額算定の基本方式や特例、賠償額の減縮や支払い義務の解除の条件などを定めています。具体的な運用マニュアルもあり、内容の解説、事故の類型と責任分類例、賠償基準適用例が示されています。クリーニング事故があった場合、クリーニング業者が賠償責任を免れるためには、事故が他のものの過失であることを証明しなければなりません。クリーニング業者の説明で消費者が納得できない場合、第三者機関による調査を行います。クリーニング業者が、他のものの過失により事故が発生したことを証明したときや、次の場合には、賠償基準による賠償額の支払いを免れるとしています。(賠償基準第3条および第7条)

消費者が洗濯物を受け取るときに洗濯物に事故がないことを確認し、これを示す書面を交付したとき
消費者が洗濯物を受け取ってから6カ月を経過したとき
クリーニング業者が洗濯物を受け取った日から1年を経過したとき

賠償額の算定

クリーニング業者が事故の賠償責任を負う場合の賠償額は次のように算定します。
賠償額=物品の再取得価格×物品の購入時からの経過月数に対応して別表に定める補償割合(賠償基準第4条)

再取得価格

物品の再取得価格は、損害が発生した物品と同一の品質の新規の物品を事故発生時に標準的な小売価格で購入するために必要な金額です。バーゲン品など、物品の購入額が事故発生時における標準的な小売価格と著しく異なる場合で、これをクリーニング業者または消費者が明らかにしたときは、購入価格を基準として再取得価格を定めます。事故発生時に販売されていないために、標準的な小売価格が不明なときは、購入時の価格×消費者物価指数の上昇率とします。

補償割合

補償割合は以下の手順で求めます。
(1)表1の中の該当する「商品区分」から、賠償品の「平均使用年数」を調べる。
(2)表2の中の該当する「平均使用年数」の行中から、賠償品が該当する「購入時からの経過月数」を探し、それをそのまま右にたどって、使用状況(A級、B級、C級)から「補償割合」を求める。
また、賠償基準第4条に示している賠償額算出方式は、洗濯物が「着用に耐えない」として、クリーニング業者が物品を引き取る場合(全損)のものです。事故の程度が軽く、物品を消費者が引き取る場合は、「価値が減少したが引き続き使用する」(部分損)として、価値の減少分を「損害率」として判定し、算出額に反映させます。損害率は、両者の話し合いで決めます。なお、紛失トラブルなどで、物品が手元になく、前述の算出方式が妥当でない場合には、次の方式を使います。

洗濯物がドライクリーニングによって処理されたときは、クリーニング料金の40倍。
洗濯物がランドリーによって処理されたときは、クリーニング料金の20倍。
(賠償基準第5条)

【表1】商品別平均使用年数(抜粋)

※平均使用年数は物品購入時から、着用・使用をやめるまでの平均的な期間。流行おくれ、着あきた、サイズ不適合などの理由も含むため、物理的に使用不能になるまでの期間とは異なる。

【表2】物品の購入時からの経過月数に対応する補償割合

備考:補償割合の、A級、B級、C級の区分は、物品の使用状況によるもので、次のように適用する。
A級:購入時からの経過時間に比して、すぐれた状態にあるもの。
B級:購入時からの経過時間に比し相対して、常識的に使用されていると認められるもの。
C級:購入時からの経過時間に比して、B級より見劣りするもの。
(例)①ワイシャツの場合、襟、袖等の磨耗状態で評価する。
②補修のあるもの、恒久的変色のあるものは通常C級にする。

免責事項

台風・地震などの自然災害に起因する事故については、賠償範囲にはなりません。
主観的価値である無形的損害賠償や精神的慰謝料には応じられません。
インポート商品等の衣文化の違いによる事故についての賠償も時価の範囲を超えることはありません。
当社側に故意の重過失があった場合には民法の規定によります。
クリーニングWAKOでの検品が済み、検品状態確認メールを送信した後は、クリーニングWAKO事故賠償制度に準じて同意されたものとします。
本制度に定める以外に発生する諸問題・事故については一般的審議誠実の原則により解決を図るものとします。
家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規定が正しく履行されていないお品物は 賠償対象外とさせていただきます。
(原則として、日本の取扱絵表示及び、組成表示の付いているものとします。)